第8回 シャンプーの選び方
なぜ選ぶ必要があるのでしょうか? “万能(絶対的)なものはない”からです。
安全も同じことで “100%安全なもの”はありません。 “安全なものとは、ご自分のお肌に合ったもの”とお考え下さい。
自分に合うものを効率よく選定するためには“ 物の質”と“ 情報の質”の両面から評価するとわかりやすいです。
以下、順を追って考えて行きます。
物の質から選ぶ
選ぶときの指標となる項目をキーワードの形で整理し、その持つ意味について考えます。項目によっては改めて詳しく書きます。
低刺激性・低アレルギー性
洗浄成分が大きく影響しますので代表的界面活性剤を低刺激性の順に並べると次のようになります。
アミノ酸系(タウリンも含む)≧石けん系>高級アルコール系(ラウレス硫酸Na>>ラウリル硫酸Na)となります。
アミノ酸系と石けん系の低刺激性の差は少なく、個人のお肌の特性や好みで決めれば良い範囲です。
低刺激性・低アレルギー性は個人差があり、また他の成分が影響することもありますが、ここでランクが高い洗浄成分は、アトピーの方、敏感肌の方などに合う確率が比較的高いとは言えます。
無添加
無添加とは何をさすか、旧・表示指定成分無添加の持つ意味について 12月に詳しく書きます。
天然系
天然系とは何をさすか、安全性との関係などを改めて 1月に詳しく書きます。
環境受容
シャンプーに使用される素材は生分解性の面では大きな問題はありません。特に良いものとしては アミノ酸系、 石けん系があります。
使用感
刺激が少ないことは当然として、“ しっとり”、“ さらさら”などはそれぞれの方のお好み次第です。今は低刺激性、低アレルギー性で使用感もよいものが色々開発されていますので自由に選べます。 アトピー、アレルギーだからといって使用感を我慢することはありません。
アミノ酸
アミノ酸系洗浄成分、保湿成分は低刺激性で使用感もよいので好まれます。このためamino、アミノ酸などを謳ったシャンプーが色々と出ています。配合内容からみると次の3種類に大別されます。
○アミノ酸系洗浄成分を配合したもの
○アミノ酸系保湿成分を配合したもの
○アミノ酸石けんを配合したもの
このうち アミノ酸系洗浄成分を配合したものが正統派と言えるでしょう。保湿成分配合の場合、洗浄成分は何でも良いので低刺激性を期待される方は配合成分をよく吟味されるとよいと思います。
洗浄成分、保湿成分ともアミノ酸ならベストです。
香料
人によっては刺激となる可能性がありますのでアレルギーの方は避けたほうが無難です。無香料がお好きな方、逆に香りをつけて楽しまれる方など色々なケースがあります。最近はアロマテラピーに詳しい方もおられますのでご自分の体質、体調、お好みにあうものを使われるのもよいでしょう。
なお、高級アルコール系洗浄成分が多用される汎用シャンプーにはその必要性から香料や、その他香りのある成分が配合されています。
弱酸性
人の肌は弱酸性ですので、弱酸性なら負担が少ない傾向にあります。テレビの宣伝を見ていると弱酸性でなければいけないように感じますが、それほどではありません。大切なのは洗浄成分も含めた低刺激性で、弱酸性は肌にやさしい一つの条件に過ぎないと考えた方がよいと思います。
なお、石けんはアリカリ性です。
価格
“期待する効果があるか?”、“自分に必要なものか?”、“自分の好みに合っているか?”によって安くも感じ、高くも感じます。
良いシャンプーの選び方▶
2008年4月から1年間、NPOアレルギーネットワークさんの会誌「あんだんて」に連載されました。下記のリンクよりそれぞれのページをご覧いただけます。
- 第 1回( 4月号) ● 「良いシャンプー」とは
- 第 2回( 5月号) ● シャンプーをとりまく環境の変化
- 第 3回( 6月号) ● アトピーの方のシャンプー選び
- 第 4回( 7月号) ● “洗う”と界面活性剤
- 第 5回( 8月号) ● 界面活性剤の基礎知識
- 第 6回( 9月号) ● 界面活性剤の基礎知識(補足)
- 第 7回(10月号) ● シャンプーの構成成分
- 第 8回(11月号) ● シャンプーの選び方
- 第 9回(12月号) ● 無添加処方
- 第10回( 1月号) ● 天然系
- 第11回( 2月号) ● 情報の質から選ぶ
- 第12回( 3月号) ● 選び方のまとめ
上記資料は、アレルギーのある方にとっての「良いシャンプー」の選び方です。一般的な良いシャンプーの条件、選定時のキーワード(低刺激、天然系、無添加、香り、アミノ酸、弱酸性など)を整理した「 シャンプー選び 」がありますのでご利用下さい。ここでは「 良いシャンプーの選び方 」の8回~11回に相当する部分を詳しく書いています。