アミノ酸系界面活性剤
石けんが界面活性剤の一種であることは既にお話しましたが、あんだんてシャンプーの主体になっているアミノ酸系界面活性剤が、石けんとはどこが異なるのか、お話します。
1.界面活性剤分子の模型図
界面活性剤は水と油の界面で両者を仲立ちするものなので、水に馴染みやすい部分(親水基といいます)と油に馴染みやすい部分(親油基といいます)から出来ています。
つぎのような模型図で示されます。
2.石けん
油脂と苛性ソーダを反応させて製造しますので下図のように模型図で表すことが出来ます。
石けんは弱い酸である脂肪酸と強いアルカリである苛性ソーダを反応させたものでアルカリ性です。
化学的分類ではアニオン(陰イオンとも言います)界面活性剤のグループに属します。
3.アミノ酸系界面活性剤の概要
石けんと同じグループでアミノ酸系界面活性剤と石けんを比較すると下図のような模型図で表すことが出来ます。
化学的に厳密なことを言えば違うところもありますが、イメージとしてはこれで良いと思います。
アミノ酸系界面活性剤はこの模型図を見ても分かるように石けんにアミノ酸をサンドイッチにした形ですので、石けんの長所は引継ぎながら、石けんにはないアミノ酸系独特の新しい性質が加わります。
従って、弱酸性に設計することが可能となります。
4.アミノ酸系界面活性剤の特長
- 石けん同様、自然回帰、天然指向という時代の要請にマッチしている。
- 皮膚や毛髪に対する作用が温和で、さらに積極的にこれらを保護する機能を併せ持つ。
- きめ細かな泡立ちと適度な洗浄力がある。
- 水に近い低刺激性のもの、コンディショニング効果のあるものなど色々な種類がある。
- 生分解性*1にすぐれ、石けんカス*2もできないため、環境に最もやさしい界面活性剤の一つで、洗面器が汚れないなどの利点もある。
- *1 微生物によって分解されやすい性質です。
- *2 石けんは歴史の古い界面活性剤で生分解が良い利点がある反面、水の中に存在する金属と反応して石けんカスができる問題があります。
しかし、アミノ酸系界面活性剤は石けんよりも製造工程が長く、シャンプーに使われる汎用性界面活性剤(ポリオキシアルキルエーテル硫酸塩など)に較べて生産量が少ないので価格が高いのが難点です。
あんだんてシャンプーはアミノ酸系界面活性剤の長所を最大限引き出して低刺激性、リンスレス処方を実現しています。