界面活性剤の種類と特徴

洗剤・石けん・界面活性剤では「石けんは界面活性剤とは別物」という大きな誤解が何故生まれたか、その背景を説明しました。
 また、天然物と合成の違い、界面活性剤のイオン型による分類を載せました。
 界面活性剤の種類と特徴では、さらに広い観点からの分類法を示し、界面活性剤の特徴を書き加えました。

界面活性剤の種類と特徴

一般的に使われる界面活性剤の分類を通称や化学的面、原料面で分類するとどうなるのか表にしてみました。
 これをもとに、界面活性剤の安全の考え方、グループの特徴などを説明します。

分類 通称による 化学的 原料大別









天然物 ガゼイン・レシチン・ サポニン 天然
界面活性剤
天然系
界面活性剤
石けん系 ラウリン酸Na 合成
界面活性剤
脂肪酸
 エステル系
ショ糖脂肪酸エステル
アミノ酸系 アシルグルタミン酸・
ラウロイルメチルアラニンNa
高級
 アルコール系
ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸塩 石油系
界面活性剤
石油系 直鎖アルキルベンゼンスルホン酸Na

(1)分類の説明

通称による分類 原料による区分と化学的組成による区分とが混在していますが、よく使われますし、一般にはこの方が通りやすいこともあります。
石油系だけを合成界面活性剤と思っている方も多く、いずれにしても厳密なものではありません。
化学的にみた分類 天然物か、化学反応などを用いて改めて製造したかで大別すると、天然物以外は化学的には、すべて合成界面活性剤です。
原料からくる分類 原料により大別した時に使われます。 高級アルコール系は天然系の原料を使う場合もありますし、石油系の原料を使う場合もあります。 
以上が妥当な分類だと思いますが、天然を強調したいために化学的には合成界面活性剤であるものを”天然物”と言い張る人もいます。


(注) 天然物を原料として合成したものを専門書では「半合成」と分類することもありますが、一般には馴染みがないので、ここでは天然系として整理しました。

(2)安全性との関係

天然物の方が安全と思っておられる方は多いのですが、技術的にみると色々な側面がありますので、そのことも知っておくことも必要です。
 化粧品における天然物の安全性については「天然系とはなんですか」をご覧下さい。
 界面活性剤は、安全の評価方法、配合技術など日進月歩ですが、一般の方は何となく化学は怖いとの感覚を持っておられます。
 このことを利用して脅かしの材料にしている例が後を絶たないのは残念なことです。

極端な例を紹介します。

1969年に直鎖アルキルベンゼンスルフォン酸(LAS)に催奇形性(奇形の発現)があるとの研究発表が三上教授によって出されました。
 しかし、世界中の学者が試験しても残念ながらこの結果は再現できず、今では否定されています。
 それだけ、催奇形性や発ガン性の試験とその評価は難しいものと言えます。
 安易に界面活性剤を使い過ぎることに対する警鐘としては価値があったと思いますが、このことが”界面活性剤は怖いもの”との印象を植え付けてしまったと思います。 

これはあくまでもLASに関する話ですが、LASは洗浄力が強いため刺激が出やすく、化粧品には使われません。
 それなのに、化粧品に使われる界面活性剤について今でも催奇形性の問題なり、DNAを傷つけるような表現が後を絶ちません。

勿論、界面活性剤の種類により、洗浄力、刺激性、価格などに差はありますから、その特徴を生かして使い分けて行く必要はあります。
 化粧品に使われるのは界面活性剤は比較的低刺激性のものですが、種類により差はありますので、アニオン界面活性剤については「低刺激性ランキング」としてまとめました。

以下に、通称による分類をしたグループごとの簡単な解説をします。

(3)グループごとの簡単な説明

(i)天然物

カゼイン
牛乳の中に存在するタンパク質で牛乳の乳化に役立っています。
レシチン
黄卵中に存在する代表的天然両性界面活性剤です。
マヨネーズはレシチンの効果で油と分離しないですみます。
このことを分かりやすく説明したホームページがありますので、ご紹介します。
レシチン以外にも天然の界面活性剤を食物と関連付け楽しく解説していて秀逸です。
ご覧になることとをおすすめします。
レシチンは工業的に取り出されマヨネーズだけでなく、マーガリンやチョコレートにも使われています。
大豆レシチンは化粧品原料としても使われます。
サポニン
ヘチマの茎、葉、実やお茶など多くの植物に含まれ、泡立ちか良いのが特徴です。
抹茶の泡立ちもその中に含まれるサポニンの効果です。
シャボンの語源については書きましたが、ポルトガル語のサボンからサポニンになったとも言われます。 砂漠のシャボテンにも関係があります。

(ii)石けん系

天然の油脂に苛性ソーダを反応させて石けんとグリセリンを得る方法と、油脂から脂肪酸をとり、苛性ソーダで中和して作る方法があります。
 弱い酸である脂肪酸を強いアルカリである苛性ソーダで中和するので、比較的強いアルカリ性で、アニオン界面活性剤に分類されます。
 最近は弱酸性ブームですが、普通の方は一時的にアルカリ性になっても肌は自然に弱酸性に戻る性質(アルカリ中和能といいます)があるのでアルカリ性の石けんで洗っても問題ありません。
 ただ、乾性肌、アトピー性皮膚炎の方など、皮脂の分泌の少ない方は弱酸性に戻るのに時間がかかるのでアルカリ性のものは避けた方がベターです。

ラウリン酸Na
ヤシ油から作られる石けんの主成分です。
原料の違いによりステアリン酸Na、オレイン酸Naなどがあり、硬さ、水への溶解性などが異なりますので用途によって使い分けます。
石けんに使われるアルカリとしては苛性イソーダが主体ですが、化粧品では苛性カリが使われることもあります。
特殊な石けん
酸性石けん:
  • アミノ酸系界面活性剤などを固形化したものですが、酸性石けんと言われます。
    ただ、メーカーによっては石けんとして分類しないこともあります。
    弱酸性なのでお肌の弱い方には向いています。
逆性石けん:
  • カチオン界面活性剤に属し、殺菌性能がありますので消毒用の手洗いに使われます。

(iii)脂肪酸エステル系

石けんで使われる脂肪酸とグリセリン(石けんの副生物)を反応させて作るもの、脂肪酸とショ糖を反応させて作るものなどがあります。
 石けんと縁が深いものですが、非イオン界面活性剤です。 化粧品によく使われます。

ショ糖脂肪酸エステル(表示名:ラウリン酸スクロースなど)
脂肪酸とショ糖とを反応させて作り、脂肪酸の種類により、ラウリン酸スクロース、ミリスチン酸スクロースなどがあります。
古くから使われている代表的な非イオン界面活性剤で、低刺激性で知られています。

(iv)アミノ酸系

アミノ酸を一部に含む界面活性剤で,「アミノ酸系界面活性剤」として別に説明しています。
 アミノ酸系アニオン界面活性剤は、石けんの脂肪酸とNaの真ん中にアミノ酸入るような形です。
 アミノ酸系は全般的に低刺激で知られています。

N-アシルーL−グルタミン酸ナトリウム(表示名:ココイルグルタミンン酸Naなど)
アミノ酸系を代表する低刺激性のアニオン界面活性剤です。
カユミが出やすいことが問題になったこともありますが、アミノ酸系両性界面活性剤を併用するなど処方上の工夫で解決しています。
ラウロイルメチルアラニンNa
きめ細かい泡立ちが特長のアニオン界面活性剤ですが、価格的な面もあり、シャンプーの主剤(最も多い配合成分)に使われている例は極めて少ないです。
アシルグルタミン酸よりさらに低刺激性ですので、ベビーシャンプーに使われたり、他の界面活性剤の刺激緩和剤としても使われます。「低刺激性ランキング」をご覧ください。
その他のアミノ酸系界面活性剤
両性界面活性剤:
  • ベビーシャンプーなどに使われます。 コンディショニング効果もありますので、補助的に使われることもあります。
カチオン界面活性剤:
  • カチオン界面活性剤は界面活性剤の中では一般に急性毒性、刺激性が強い方ですが、アミノ酸系のものは特に安全性が高いのが特長です。

(v)高級アルコール系

高級アルコールを原料として作ります。
 高級アルコールを脂肪酸から作る方法と石油から直接合成する方法がありますので、天然系にも石油系にも分類できます。
 このように製法はいくつもありますので、技術的に見れば同じ高級アルコールであり、天然系、石油系に分ける意味はありません。

ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸塩(表示名:ラウレス硫酸Naなど)
ラウリル硫酸塩よりは低刺激性であるためにシャンプーや台所洗剤の主剤に使用されています。
市販のシャンプーの大半は、この系統のものです。 旧・表示指定成分でした。
ラウリル硫酸塩
1930年に発売されましたが、石けんの弱点である石けんカスができないなどの特長があり、洗浄力もありますので家庭用洗剤に大きく寄与しました。 生分解性も良い。
また、当時としては低刺激性であったため、シャンプーの主剤に使われるなど画期的なものでした。
台所洗剤用ではアルキルベンゼン系からラウリル硫酸塩に代わりつつあります。
シャンプー用ではラウレス硫酸塩が出来てからは、使用量が減る傾向にあります。
登場した時は低刺激で着目されたのですが、その後、、ラウレス硫酸塩ができ、さらにアミノ酸系界面活性剤など、より低刺激性の界面活性剤が出てきた今日では、化粧品用では刺激性試験の基準として扱われるようになってしまいました。 旧・表示指定成分でした。

このように界面活性剤は日進月歩ですから、何を基準にして「低刺激か?」が大切で、ラウリル硫酸塩も、かっては「低刺激」であった訳です。 
 今でも「低刺激」と表現していることもありますが、間違っているとはいえないのが難しいところです。

(vi)石油系

文字通り石油を原料として製造された界面活性剤です。
 石油系というだけで毛嫌いされるのもオカシナ話で、もう少し技術的に冷静に見て行く必要があります。

直鎖アルキルベンゼンスルホン酸Na(LAS)
最初に使われたのは側鎖アルキルベンゼンスルホン酸Na(ABS)で生分解性(環境において微生物によって分解され易い性質)が悪く、問題となりました。
この点を改良したのが、LASです。
LASの安全問題については(2)安全との関係に書きました。
洗浄力が強く、価格面で高級アルコールより有利なので洗濯用に使用されますが、徐々に高級アルコール系などに置き換わっています。
※化粧品には使用されません。
αーオレフィンスルホン酸Na(AOS)(表示名:オレフィン(C12-C14)スルホン酸Na
洗浄力があるので洗濯洗剤として使われ、刺激性は高級アルコール系より、ややよい程度です。
シャンプー用としてはサロン専用のものに一部使われています。
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