あんだんてシャンプー
良いシャンプーの選び方


第5回 界面活性剤の基礎知識
シャンプーには洗浄成分が必要で、ほとんどの場合界面活性剤が使用されていることを前回書きました。
界面活性剤は、その種類によって○○界面活性剤と表現されますが、その名前の由来は、主原料、構成されている成分、イオンの形など色々なケースが混在しているので分かりにくいです。
しかし、基本的なことを理解してしまえば、全体像が見えてきます。
界面活性剤の働き
"水と油の関係"と言えば、折り合いが悪い例に使われます。それくらい混じりあわないものですが、皮脂や汚れを洗い流すためには、その仲立ちになってくれるものが必要です。
それが界面活性剤で、1つの化合物のなかに「水になじみやすい部分(親水基)と油になじみやすい部分(親油基)をあわせ持っています。
典型的な例として石けんを模型図で示すとマッチ棒みたいで次のようになります。
 図1 石けん(ラウリン酸Na)の模型図

イオンの形による分類と命名
マッチ棒の頭の部分についているイオンの形により分類すると次の通りです。
 図2 界面活性時の分類
それぞれマイナスイオン、プラスイオン、その両方を持っているもの、持たないものもあります。一方、人の肌や毛髪はイオン的にはマイナスの状態になっています。肌や毛髪のイオン性と界面活性剤の持っているイオン性の組み合わせでシャンプーにおける役割を理解できます。
石けんの模型図の頭の部分は-COOHNaとなっていますが、化学的にマイナスイオンである-COOH(-)を分子内に持っているので、典型的なアニオン界面活性剤です。石けんは脂肪酸という弱い酸(-)を強いアルカリである苛性ソーダ(+)で中和したものなのでアルカリ性となります。図2では(-)と(+)離して表示しています。
アニオン(または陰イオン)界面活性剤:マイナスイオンを持っています。界面活性剤のマイナスイオンと肌や髪のマイナスのイオン性が反発し油を抱き込んだ状態で肌から離れて行きます。これが洗浄効果です。
カチオン(または陽イオン)界面活性剤:プラスイオンを持っています。界面活性剤のプラスイオンと髪のマイナスのイオン性が引き合い吸着します。これでコンディショニング効果が出ます。
両性界面活性剤:マイナスイオンとプラスイオンの両方を1つの化合物の中に持っています。このため洗浄力がありながらコンディショニング性もありますのでシャンプーに配合されます。

原料、製法などによる分類と命名
シャンプーや洗濯洗剤、台所洗剤などは、洗浄力を必要とするので、アニオン界面活性が主に使用されます。
石けん系:模型図のCH2CH2・・・の部分をRと略記しますが、ヤシ油、パーム油、パーム核油などの天然物を出発原料にしています。
アミノ酸系:R部が石けんと同じ原料でマッチ棒の頭の部分にアミノ酸を使うことにより低刺激性となり、使用感も向上しています。
高級アルコール系:R部が石けんと同じ原料でマッチ棒の頭の部分を硫酸とすることで洗浄力をアップしていますが、刺激性が増加します。
石油系:R部分を石油系とし、マッチ棒の頭の部分もスルフォン酸とすることで洗浄力をさらに強化したものです。代表例のLASの用途は洗濯洗剤等でシャンプーでは使用されません。
合成界面活性剤:上記は化学的にはすべて合成界面活性剤なのですが、石けん以外すべて、高級アルコール+石油系、石油系のみなど色々なケースで天然系を強調したい方が使う名称です。

引用文献
 図1 新・界面活性剤入門(三洋化成工業)
 図2 田村・廣田共著香粧品科学
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