第11回 情報の質から選ぶ

良いシャンプーの選び方 イラスト

第1回から第7回まではシャンプーを選ぶときの基礎的知識に重点を置いてきました。第8回から「 シャンプーの選び方」に入り、自分に合うものを効率よく選ぶには「物の質」と「情報の質」の両面から評価するとわかりやすいと書きました。

物の質」では、低刺激性・低アレルギー性、無添加、天然系、アミノ酸、弱酸性などのキーワードの持つ意味を考えてきました。

今回は「 情報の質」から評価してみましょう。

開発目標or開発コンセプトが明確か?

シャンプー選びのポイントは、ご自分にあったものを如何に効率よく探すかですから、その製品の開発目標やコンセプトが明確になっていると選定しやすく、メーカーへの信頼度も高くなります。

情報を充分に提供or開示しているか?

宣伝文句ばかり目立ち、開発目標、コンセプト、成分の説明がおろそかになっている例もあります。全成分表示制度になりましたので、どこかには表示されていますが、 書く位置によってそのメーカーがどの程度重視しているかがわかります

配合目的まで書いてあるくらいの親切さが欲しいですし詳しく解説してあるものは好感が持てます。

最近は環境への影響について書かれている例が増えています。

情報は正確か?

正確とは、ここでは“ その道の専門家の中庸を得た考え”を指しています。天然物だから安全、化学物質だから危険とするような○×式の誤った情報が氾濫していますので取捨選択が必要です。

適正広告ガイドラインでも「天然成分を使用しているので安全」という表現は禁止されています。

NPOアレルギーネットワークの“目的”の第1は「 科学的知識の普及」です。その会誌「あんだんて」ではご専門の方々が執筆されており、正確な情報が提供されていますので活用しましょう。

アトピーの理解は?

“このシャンプーですべてのアトピーが治る”と表現をしているものは薬事法違反だけでなくアトピー自体の理解も間違っていると私は思います。

アトピーは個人差も大きいので 万能なシャンプーはありません。シャンプーはスキンケアの一環として毛髪、頭皮、肌を清潔にして健やかな状態に保つことによりQOLの向上をサポートしますが治すものではありません。

対応が誠実か?

製造販売元や開発会社に問合せを出したときに、誠意を持って迅速・丁寧に回答してくれるかも重要な選択因子です。

専門的なことをわかりやすく説明するには、基礎的なことをしっかり理解していないと回答できません。問合せは自分のためでもあり、販売サイトの力を知ることにもなります。掲示板などでのQ&Aも参考にしましょう。

わからないことは、“わからない”と言ってくるくらいの方が却って信頼を置けると感じることもあります。

お客様の声

本来一番参考になるものですが、 薬事法逃れに使われることもあり、またコピーライターの作とのうわさもあるのは残念なことです。裏づけをとりにくく、却って混乱を招くとのことで 適正広告ガイドラインでは体験談的広告は禁止されています。

口コミサイトも貴重な情報源ですが、どのように情報を集めているかも知っておきましょう。

楽天市場の「感想」のように買った人でないと書き込めないサイトを参考にされると良いでしょう。

アトピーの方は、善意で寄せられる情報の多さに困っていると書いている本もあります。個人差も大きいので、そのことも留意して活用しましょう。

プラス思考か?

界面活性剤と聞いただけで不安感を持たれる方もおられますが、そのようなものではありません。ただ、不安感は人を惹き付けますので、“これ以外使えない”というマイナス思考( 不安商法ともいうべきもの)が後を絶たず選択肢を狭めています。

今は低刺激性・低アレルギー性で使用感も良いものが色々開発されていますので、プラス思考(ご自分に合ったものを選ぶ楽しさ)で臨みましょう。


正確な情報を得るためのお勧めの本or情報
   角谷貴斗著「化粧品中身の真相」
   角谷貴斗著「天然成分だけで化粧品を作ることはできないのか?」

良いシャンプーの選び方

2008年4月から1年間、NPOアレルギーネットワークさんの会誌「あんだんて」に連載されました。下記のリンクよりそれぞれのページをご覧いただけます。


上記資料は、アレルギーのある方にとっての「良いシャンプー」の選び方です。一般的な良いシャンプーの条件、選定時のキーワード(低刺激、天然系、無添加、香り、アミノ酸、弱酸性など)を整理した「 シャンプー選び 」がありますのでご利用下さい。ここでは「 良いシャンプーの選び方 」の8回~11回に相当する部分を詳しく書いています。